連結会計の全体像は以下のようになっています。
「世界」と「流れ」と「時間」という3つの軸があり、それぞれに注意点があります。
連結会計は簿記の論点の中でも1番迷子率の高い論点だと思います。
この3つの軸と注意点を理解すると、連結の世界での迷子率が大きく下がります。
連結会計をする前に確認してしておきましょう。
連結会計の3つの軸

世界について
連結会計では、「通常の世界」とは別の「連結の世界」が出現します。
「通常の世界」は、グループ各社で日々仕訳をして、締め処理をして個別財務諸表を作っている普段我々がいる世界です。
連結での開示が必要な四半期などのタイミングで期間限定のパラレルワールド「連結の世界」が出現します。
問題文に載っている文章がどの世界に関する記述なのかをしっかり見極める必要があります。
⚠️1 世界についての注意事項
- 「通常の世界」から「連結の世界」には行けますが、「連結の世界」から「日常の世界」にはいけません
- 連結修正仕訳をしても、個別財務諸表には反映されません
流れについて
連結会計の流れは2つのStepで処理されていきます。
問題を解く際におこなう仕訳や計算は、Step2がメインになります。
Step2ばかりをやっている間に、Step1の前提を忘れてしまいがちです。
⚠️2 流れについての注意事項
- 「合算」で、P社S社の個別財務諸表を全部合算しています
- 連結財務諸表を考えると足しちゃいけないものも含めて全て足しています
- 「足しすぎたもの削る」作業が連結修正仕訳になります
時間について
個人的に、連結会計の問題を解いてる時に最も迷子になるのが、この時間の軸です。
連結会計には「通常の時間」と「タイムマシーンの時間」があります。
「通常の世界」から「連結の世界」にはいけるけど、その逆は行けない為、タイムマシーンに乗る必要があります。
今期末の個別財務諸表が資料として与えられていますが、連結修正仕訳は必ずタイムマシーンに乗って、「支配獲得日」を行き先の日にちに設定しましょう。
タイムマシーンに乗って、「支配獲得日〜今期末」の仕訳をひとつずつやる必要があります。
「世界について」のところの注意事項である「連結修正仕訳をしても、個別財務諸表には反映されません。」も改めて意識が必要になります。
⚠️3 時間についての注意事項
- P社、S社の個別財務書評を合算するまでは通常の流れですが、「連結修正仕訳」については「支配獲得じまで時間を遡って、やり直す」必要があります
- 今の財務諸表を足して、「連結の世界だけ過去からやり直す」ことになります
この3つの軸は「前提の話」なので、特に問題文に注意事項としての記載もありません。
ついつい忘れて問題を解いてしまい、「引くべきところを足して間違えた。」みたいなことが頻発する世界です。
連結の問題を解く前に今一度思い出してから冒険しましょう!
GOOD LUCK!